「美しい国へ」なるの?本当に
最近のベストセラーである、安倍晋三の「美しい国へ」。とりあえず読んでみました。最近の話題の人なので、何か言うにも一応は読んでおかないといけない。というか、これを読めば安倍晋三の思想がなんとなく見えてくるので、賛成派、反対派共に必読かも。
率直な感想としては「かなり薄っぺらい内容」だった。国会も始まっていろいろと言われているが、書かれている内容に深みというか、「俺はこうしたいんだ!」という熱意というか情熱というか、がいまひとつ伝わってこない。一説にはゴーストライターという話もあるけど。
それはさておき内容について。日本とアジアの関係やナショナリズム、教育改革について思いが語られている。そこかしこに少々違和感を感じる部分あり。
例えば、太平洋戦争について。「昭和17,8年の新聞には『断固、戦うべし』という活字が躍っている。…(中略)…。マスコミを含めて民意の多くは軍部を支持していたのではないか。」という下り。
だって、当時の新聞って検閲なんかもあったりしてほとんどが大政翼賛的な政府の宣伝媒体だったんじゃないの?と俺は思う。
例えば、ナショナリズムについて。「たしかに自分の命は大切なものである。しかし、時にはそれをなげうっても守るべき価値が存在するのだ、ということを考えたことがあるだろうか」だと。これは知覧から出撃した特攻隊員の日記の話で出てきた文章。なんとなく英雄的で一見かっこよく聞こえるが、誰だってできればそんな状況を望まないに決まっている。国民が命を投げ打って…という状況をなんとしてでも避けるのが政治家の役目ではないのか。先日、民主党の鳩山議員が代表質問で言っていた「戦後レジュームからの船出、ではなく、戦前レジュームへの回帰なのではないか」という言葉は的を得ている気がする。
例えば、教育改革について。国による学校評価制度を是非導入したい、とある。イギリスでサッチャーが行った改革なのだそうだ。しかし、どのように評価するのか、そしてその評価の結果、「質が悪い」と判断された学校の卒業生はどんな気持ちになるだろうか?そんなことを安倍氏は考えたことがあるのだろうか?
とまあ、こんな感じ。全体的にはいいお家柄のボンボン議員(実際、岸信介や安倍晋太郎を賛美する文章が多用されている)が書いた作文、という感じ。つまり、やっぱり一般の国民の気持ちがわかってないなぁ、という気がする。憲法9条の改憲にしても、結局命を危険にさらすのは一般国民であり、為政者には害は及ばない。安全地帯にいるものはなんでも言えるのだ。身内を自衛隊に担保として入隊させる、くらいのことをすれば言うことも変わってくるかもしれない。
某新聞でつかこうへい氏が寄稿していたけど、2世、3世議員というのは戦前、戦中うまれの政治家としての親を見て育っているから、彼らの考え方も戦前、戦中に非常に近いとおっしゃっていた。たしかに頷ける指摘。さらに氏が書いていて面白かったのは「今はベストセラーであるが、読者がみな支持者というわけではない。本当によい本ならロングセラーになるはずで、これからどうなるか楽しみ」と。俺も楽しみである。
あと、結構メディア批判とか、自分と反対意見の人をこき下ろしてました。安倍氏はNHKとは仲良しですよね。
結局、美辞麗句を並べ立てていてもなんとなく表面的な内容はいがめないんだよなぁ。大丈夫でしょうか?今度の首相は。
関連ブログ
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