2004年11月18日

五鉄で軍鶏鍋

前々から行きたいと思っていた、「かど家」で軍鶏鍋を食すことになった。一路両国へ。

「五鉄」というのは、知る人ぞ知る鬼平犯科帳に出てくる軍鶏鍋屋の名前である。この五鉄のモデルとなったのが「かど家」で、故池波正太郎氏もここに通っていたそうである。

JR両国駅で友人と待ち合わせ、歩いて10分ほどでかど家が見えてきた。店構えはちょっと古い料亭風。特に身構えることなく玄関の戸をガラガラと開けると…。「いらっしゃいませー」と着物姿の女中さんが出迎えてくれた。ひざくらいの高さがあるぴかぴかの廊下があり、その周りはやや古いが雰囲気のあるふすまが目に入った。「ギョッ」としたというのが正直な感想。こんな店に入ってもいいのだろうか。

奥の個室に通される。掘りごたつがあり、窓からは獅子おどしがみえる。風流な庭である。ここなら池波正太郎が通っていても不思議ではない。

142年続いているという軍鶏鍋を注文する。まず、ニコゴリや鳥刺し(軍鶏)が出される。どれもうまい。鳥もあっさりしていて癖がない。その後和え物のようなものが出て、いよいよ軍鶏鍋の登場である。ガスコンロの上に使いこなされた鉄鍋が載せられる。

まず、軍鶏の脂肪を塗って出汁を張る。特製の八町味噌をベースにした黒い味噌をかなりの量溶かし込む。そして、はじめに軍鶏の砂肝、皮、および肝をどばっと入れて、その上に薄切りの胸肉をきれいに並べる。そしてしばし待つ。薄切り肉がうっすらと白くなったらひっくり返してしばらく待って完成。いよいよ食す。

うまい。身は非常に柔らかい。こってりしているが、嫌な脂肪分はない。味噌をたっぷり入れていたので、味が濃すぎるかな、と思っていたが、ちょうどいい塩梅。砂肝も肝も皮もおいしく頂いた。一緒に入れた白滝や豆腐にもスープが染み込んで、これまた美味。

仕上げに、ご飯に出汁をかけて食べるとうまい、というので、ご飯を注文。小ぶりのどんぶりに蓋がされてご飯が出てきた。一瞬、「ちょっと多いなぁ、こんなに食えるかなぁ。」と思いつつ、蓋を開けると底にはゴルフボールくらいの大きさのご飯がちょこんと鎮座していた。あまりの少なさにその場全員唖然。「エェッ」と思わず声を出したものもいるくらいである。

「歴史ある料亭だから仕方ないのだ」と(おそらく)各々心で自分に言い聞かせながら(みんなそう思っていたと思う)、おいしく3口くらいで頂いた。最後に煮込みうどんを食して完食。

うまかった。それに、やっぱり「五鉄」で軍鶏鍋を食べた、という事実に非常に満足。五鉄で軍鶏鍋を食べることは鬼平ファンとして一種の夢みたいなものだったからなぁ。しかし、値段も超一流でした。明日から粗食を決意した「五鉄」であった。

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