2004年5月 1日

焼酎ブーム考

焼酎ブームと言われて久しい。数年前までは、焼酎などという安酒は誰も見向きもしなかったのだが、近年は一升1万円以上する焼酎も珍しくない。

俺自身は、地元が九州であるので焼酎には昔から馴染みがあった(どのくらい昔かは想像にお任せする)。特に大分に住んでいる祖父が、二階堂やら天照やらをよく飲んでいたのを幼少のころから目にしていたので、当時、全国的には焼酎はさげずまれている、という事実には気がつかなかった。

もともと焼酎は飲んでいた。それこそ二階堂など、家庭においてある普通の焼酎である(さすがに甲類は飲まなかったが)。また、今考えると先見の明があったと思うのだが、学生時代などは漠然と「芋焼酎の味を分かる男になりたい」とも思っていた。九州でも飲まれる焼酎に地域差があり、北部では芋はほとんど飲まれていなかったのである。

そこで焼酎ブーム。芋焼酎も簡単に飲めるようになり、次第にうまいと思えるようになって現在に至っている。

しかし、一本1万円以上する焼酎には、違和感を覚える。もともと焼酎とは庶民の酒。気軽に一杯ひかっけるものである。飲み屋でグラス一杯1500円の焼酎を気軽に飲めるか、と思う。鹿児島でそのような焼酎が普通に飲まれているのだろうか?そうとは思えない。高級焼酎は一種の極致だと思うし決して否定はしない。すばらしいことだと思う。だけど、何でもかんでもそれが一番だと崇めたてる風潮はどうかと思う。メディアが煽った部分もあるんだろうけど。

安くてもうまい焼酎はいっぱいあるんだから。例えて言うなら、大トロと秋刀魚の塩焼き。大トロもうまいし、秋刀魚の塩焼きもうまい。でも、「魚は何が何でもやっぱり大トロに限る」と言っているよりも、「秋刀魚はうまいね。鰯もうまいし鯵もうまい。でも今日は鯖を食いたい気分だな」とやったほうが気も楽だし楽しいと思うのだが。

とはいえ、ブームのおかげで、いろんな種類の焼酎が手に入りやすくなったことはうれしいことだ。一杯引っかけて寝ることにしよう。

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